低所得層の肥満児問題を焦点に
現在の肥満対策は不平等化を促進と批判
シドニー大学の児童保健研究助教授のジェニー・オデア博士の研究報告書が発表され、その中で、「低所得層世帯の児童の肥満率は高所得層世帯の2.5倍にもなる。所得と健康との間に相関関係があることは昔から分かっていたことだが、肥満問題にもそのような関係があることが分かる」と述べている。
また、報告書は、低所得層世帯の男子の肥満率は2000年には5.4%だったのが、2006年には9.3%と倍増している。女子の場合は、3.9%か6.0%に上昇しており、全人口での肥満率は1995年の5%から2000年には6.0%に、2006年にはさらに6.8%へと上昇率がやや鈍化している。博士は、「全人口では肥満増加率は平坦化しているが、低所得階層では男子女子とも依然として上昇を続けている」として、「健康な生活の食費が要因の一つだ、十分な食生活が保証されていないと、食べられる時に満腹になるまで食べるということになり、しかも栄養価の低い食べ物を選ぶことになりやすい」と述べている。また、政府ができることとして、現在、放課後や週末のスポーツ・クラブの参加費が非常に高いことを挙げて、児童が参加できるスポーツへの投資を求め、「たとえば低所得世帯の多い多民族混住型の地域に、子供が年中遊びに行ける屋内温水プールを建設するなどの対策が必要だ」としている。また特に肥満リスクが高い民族として、太平洋諸島、中東などの出身者とアボリジニを挙げ、「文化的な問題や社会階層的問題が入り組んでいる。政府は、そういう地域を対象に資金を投入しなければならない」としている。また、モナシュ大学Centre for Ethics in Medicine and Societyのサマンサ・トーマス副部長も、肥満が低所得世帯に顕著ということに同意し、政府が現在進めている全児童均等的なプログラムは、結局豊かな人々が利用するだけになり、むしろ健康の不平等を助長するだろうと批判している。(AAP)
文末に(AAP)とある記事は、AAP配信記事の忠実な翻訳であり、日本国内の報道と合致しない記述も含まれています。
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