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Good University Guide
オーストラリアで大学生活を
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監修:スタッフソリューション・オーストラリアキャリア・留学事業部長山口幸司
金融業界経験後、シドニー大学MOTコースに留学。一時休学を経て2007年7月に卒業し、現在、留学・キャリア・コンサルタントを務める。日本での人事担当と現職の経験を生かし、就職に有利な留学アドバイスを行う。日豪の就職事情にも精通。



 オーストラリアは、教育水準の高い国として有名だが、大学教育も例外ではない。国内からの学生に留まらず、世界中から多くの留学生が集まるのも特色の1つだ。ここでは、これからオーストラリアで学ぶことを考える日本人の皆さんに、大学のランキングから出願方法、学生たちの実際の生活までを、分かりやすく解説してお届けする

Photo: Tourism Queensland

■オーストラリアの大学事情
  オーストラリアの総合大学は、現在わずか39大学。うち2大学のみが私立で、残り37大学は国公立大学である(表1参照)。このように絶対数が少ない割に、レベルの高い大学が多く(表2参照)、オーストラリアの大学で学ぶのは、概して容易なこととはいえない。
  また、日本の大学では入学後1〜2年は一般教養を学ぶところが多いが、オーストラリアでは一般教養をほとんど学ばずに、入学直後から専門分野の学習に入る。このため、学士課程は3年で卒業できるものが多い。
  この大学制度の違いを補うべく、存在するのが「ファウンデーション・コース」と呼ばれる大学進学準備コースだ。ここでは、大学進学のための英語や、科学、経済学、人文科学、デザインなど、希望の学部ごとに必要な基礎知識を学ぶことができる。日本の高校を卒業した生徒は、大学入学前にこのコースを履修することが必要だ。授業は大学に似ており、ここで規定の成績と入学条件を満たせば、大学への入学が可能となる。大学進学後に必要となる知識を英語の授業で得ることができたり、大学のシステムや雰囲気に予め慣れることができるため、メリットの大きいカリキュラムといえる。

Photo: Tourism Queensland

■オーストラリアの大学レベル
  オーストラリアは教育水準の高さでも有名だ。大学のレベルも例外ではない。再び、表2を見ていただきたい。英国のタイムズ紙が毎年発行するしている高等教育専門誌『ザ・タイムズ・ハイヤー・エデュケーション・サプリメント』に掲載されたオーストラリアの大学トップ20を、日本の大学のランキングを交えて挙げた。オーストラリアの大学の総数は日本に比べて少ないにもかかわらず、上位にランク・インする大学の数は日本と変わらないことが一目瞭然だ。これは、オーストラリアの大学の質の高さを如実に物語っている。だが、これはあくまでも大学の総合的な評価に過ぎず、個々の学部の評価はそれぞれ異なっているという点は十分注意しなければならない。ランキングが高いという安易な理由だけで、進学する大学を決めると、学部によっては後悔することになりかねない。
  各学部の指標として、オーストラリアで毎年発行される大学ガイド『グッド・ユニバーシティ・ガイド』で学部別に「難易度高」とされた大学を紹介する(表3)。この表からも、大学の難易度は学部によって異なるということが分かるだろう。が、概してタイムズ紙の高ランキング大学(オーストラリア国立大学、メルボルン大学、シドニー大学、モナシュ大学など)は、総合的に偏差値が高いというのも事実だ。次ページに、オーストラリア国内の主要大学の注目学部、話題のコースを挙げたので、こちらも参考にしたい。

オーストラリア州別大学一覧(日本語名/略称) 表1
ACT University of Canberra(キャンベラ大学/Canberra)
Australian National University(オーストラリア国立大学/ANU)
NSW州 Charles Sturt University(チャールズ・スタート大学/CSU)
Macquarie University(マッコーリー大学/Macquarie)
Southern Cross University(サザン・クロス大学/Suthern Cross)
University of New England(ニュー・イングランド大学/UNE)
University of New South Wales(ニュー・サウス・ウェールズ大学/UNSW)
University of Newcastle(ニューキャッスル大学/Newcastle)
University of Sydney (シドニー大学/Sydney)
University of Technology Sydney(シドニー工科大学/UTS)
University of Western Sydney(ウェスタン・シドニー大学/UWS)
University of Wollongong(ウーロンゴン大学/Wollongong)
Australian Catholic University (オーストラリア・カソリック大学/ACU)
QLD州 James Cook University(ジェームス・クック大学/JCU)
Central Queensland University(セントラル・クイーンズランド大学/CQU)
University of the Sunshine Coast(サンシャイン・コースト大学/Sunshine Coast)
Queensland University of Technology(クイーンズランド工科大学/QUT)
The University of Queensland(クイーンズランド大学/Queensland)
Bond University(ボンド大学/Bond) ※私学
Griffith University(グリフィス大学/Griffith)
The University of Southern Queensland(サザン・クイーンズランド大学/USQ)
VIC州 Deakin University(ディーキン大学/Deakin)
La Trobe University(ラ・トローブ大学/La Trobe)
Monash University(モナシュ大学/Monash)
RMIT University(王立メルボルン工科大学/RMIT)
Swinburne University of Technology(スインバーン大学/Swinburne)
The University of Melbourne(メルボルン大学/Melbourne)
University of Ballarat(バララット大学/Ballarat)
Victoria University y(ビクトリア大学/VU)
WA州 Curtin University of Technology(カーティン工科大学/Curtin)
Edith Cowan University(エディス・コーワン大学/ECU)
Murdoch University(マードック大学/Murdoch)
University of Notre Dame Australia(ノートルダム大学オーストラリア/Notre Dame) ※私学
University of Western Australia(西オーストラリア大学/UWA)
SA州 Flinders University(フリンダース大学/Flinders)
University of Adelaide (アデレード大学/Adelaide)
University of South Australia(南オーストラリア大学/UniSA)
TAS州 University of Tasmania(タスマニア大学/Tasmania)
NT準州 Charles Darwin University(チャールズ・ダーウィン大学/CDU)

 

表2 オーストラリアの上位 20 大学ランキング
1位 オーストラリア国立大学(16位)
東京大学(19位)
京都大学(25位)
2位 シドニー大学(37位)
3位 メルボルン大学(38位)
4位 クイーンズランド大学(43位)
大阪大学(44位)
5位 ニュー・サウス・ウェールズ大学(45位)
6位 モナシュ大学(47位)
東京工業大学(61位)
7位 西オーストラリア大学(83位)
8位 アデレード大学(106位)
東北大学(112位)
名古屋大学(120位)
九州大学(158位)
北海道大学(174位)
早稲田大学(180位)
9位 マッコーリー大学(182位)
神戸大学(197位)
10位 RMIT大学(206位)
11位 ウーロンゴン大学(207位)
12位 クインズランド工科大学(212位)
慶応大学(214位)
筑波大学(216位)
13位 カーティン工科大学(232位)
14位 シドニー工科大学(234位)
15位 ラトロブ大学(242位)
広島大学(267位)
16位 フリンダーズ大学(273位)
17位 ニューキャッスル大学(286位)
18位 タスマニア大学(291位)
千葉大学(298位)
19位 南オーストラリア大学(303位)
20位 グリフィス大学(325位)

オーストラリアの大学トップ10(『ザ・タイムズ・ハイヤー・エデュケーション』誌(UK)調べ、「ザ・ワールド・トップ200大学」2008年度より)

表3 高難易度の学部
会計(Accounting)
ANU, Macquarie, Melbourne, Monash, Queensland, RMIT, Sydney, UNSW, UTS
 
ビジネス(Business & Management)
ANU, Monash, Queensland, Sydney, UNSW
 
経済(Economics)
Macquarie, Melbourne, Monash, Sydney, UNSW
 
工学・技術(Engineering & Technology)
Monash, QUT, Sydney
 
環境(Environmental Studies)
Monash, QUT
 
人文科学(Humanities and Social Science)
Melbourne, Monash, Sydney, UNSW
 
言語学(Languages)
Melbourne, Monash, RMIT, Sydney, UNSW
 
法学(Law)
Adelaide, ANU, Canberra, Deakin, Flinders, Griffith, Macquarie, Monash, Newcastle, Queensland, QUT, SCU, Sydney, Tasmania, UNSW, UTS, UWA, UWS, VU, Wollongong
 
数学(Mathematics)
ANU, Sydney, UniSA
 
心理学(Psychology)
Flinders, Macquarie, Melbourne, Monash, RMIT, Sydney
 
科学 (Science)
Monash, Sydney

難易度高(高校卒業試験で85%以上の成績)の大学学部(2008年度版『グッド・ユニバーシティ・ガイド』調べ)

■大学入学の時期、資格、方法
● 時期
  主に2、3月と7月の入学時期が一般的。ただし、コースによっては2、3月入学のみというところや、年3回、4回入学可能な場合もあるので、確認が必要だ。

● 必要書類、資格
  最終学歴の成績証明書や卒業証書は必須。大学や学科によっては、別途推薦状やエッセイ・実務経験の証明などが必要になることもある。そのほか面接、外部試験が必要となるケースもあり。
  また、入学前に各大学、各コース別に設定される英語基準を満たす必要がある。出願の締切は早いので、注意が必要。

● 入学方法
  まずは出願→合否が出る。合格であれば、必要英語基準を何らかの方法(IELTS、TOEFL、付属語学学校など)で満たせばよい。
  オーストラリアの大学の合格率はだいたい40%といわれている。
  ただし、不合格は30%、残りの30%は「審査不能(書類の不備、本人との連絡不能)」となっている。審査不能を避けるために、各大学の正規の代理店での出願をお薦めする。

キャンパス・ライフ

入学が決まれば、あとはオーストラリアのキャンパス・ライフを楽しむばかり。広いキャンパス内には、日本の大学にはないような楽しい場所も。ここでは、入学前にひと足早く、大学生での魅力的な生活を紹介する。

□ 学食
  オーストラリアの多文化社会の影響は、学食にも。サンドイッチやパスタなどのメニューに加えて、タイ料理やメキシコ料理もあり、種類の豊富さが特徴だ。広い食堂内で、異国の級友と世界の料理を囲んで、休み時間を過ごしたい。

□ パブ
  多くの大学の中でパブが楽しめるのも、学生たちには嬉しいところ。ビリヤード・テーブルが置かれていたり、なかなか本格的だ。金曜や週末の夜には、ライブやパフォーマンスが行われるなど、学生の交流の場として活躍。


□ ジム
  ほとんどの大学内にジムがあるのは、さすがスポーツ大国のオーストラリア。プールやマシン、エアロビクスやヨガのクラスなど、施設は充実しており、一般の人も利用が可能。

□ クラブ・活動
  日本でも多くの学生が参加するクラブ活動。オーストラリアの学生も、さまざまな活動に参加して、学生生活を充実させている。テニスやサッカー、演劇部や写真部のような一般的なものから、チェスやヒップ・ホップといったもの、さらにはウォーター・スキーやブッシュ・ウォーキングといったオーストラリアならではのものまで、いろいろな活動を選べる。

□ カフェ
  キャンパス内にオシャレなカフェがあることも。デザートとコーヒーで疲れた頭脳にひと息入れよう。

□ 寮
  大学の敷地内や近くには寮があり、多くの学生が居住をともにしている。形態はルーム・シェアから1つのアパートメント・ルームを複数の学生で共有するタイプまでさまざま。


大学別、山口氏のお薦め学科

■ シドニー大学
  全学部に“穴”がないのが同大学の特徴。
Master of Management 理論と実践の融合を目指すビジネス・パーソンへ 。
  オーストラリアの大学で唯一オンキャンパスMBAを持っていなかったが満を持して2009年よりスタート。 選考方法、カリキュラムからも、このコースにかける大学側の熱意が伝わってくる。企業インターンシップも組み込まれ、今までの「理論と実践のハイレベルの融合」を目指していた大学経営学部の強みがより強化されたものといえそうだ。

■ ディーキン大学
Bachelor of Laws 法曹資格を最短期間で取得 。
  日本の高卒から豪州の法曹資格までは、通常学位取得まででも6年ほどかかるが、ディーキン大学の場合、最短4年での取得が可能。これはMIBT(Melbourne Institute of Business and Technology)とのリンクで成し得られる。MIBTで1年次修了後、法学部の2年次に編入することになるので、このような修学期間短縮が可能となる。ディーキン大学およびMIBTは、留学生サポートにも定評があり、法学部に限らず工学部、商学部などを目指す学生、特に学部留学生にお薦め。

■セントラル・クイーンズランド大学(CQU)
Bachelor of Learning Management (Japanese)オーストラリアで唯一「日本語教師」に特化した学位。
  オーストラリアの小学校、中高校における日本教師の育成を目的としたコースになっており、日本語を学ぶ地元の子どもたちに日本語教育を行いたい人には最適のコースとなっている。
■ ニュー・サウス・ウェールズ大学(UNSW)
  理系学部に特に強みのある大学。
Master of Technology Management MOT=理系のMBAを目指してみては ?
  国内で最初に留学生を受け入れたUNSW。日本でも近年その必要性を叫ばれているMOT(=技術経営)教育だが、UNSWのMOTプログラムは、エンジニア、科学者が、その技能をアップデートさせつつ、ビジネス領域を学ぶのにたいへん適した、理系のMBAにふさわしいコース構成となっている。

■ RMIT大学(王立メルボルン工科大学)
  通訳翻訳コースで日本人に人気だが、RMITが特に定評のある分野はバイオテクノロジーとデザイン。
Bachelor of Arts (Textile Design)
Bachelor of Design (Fashion)
Bachelor of Design (Industrial Design)
  RMITのデザインと芸術のコースは、世界でもよく知られている。キャンパスは洗練された雰囲気のメルボルン市内中心部にあり、実習や講演を通して、デザイン・芸術産業と密接に関わることができる。

■ クイーンズランド大学 (UQ)
Master of Arts in Japanese Interpreting and Translating ワンランク上の通訳翻訳資格を目指す人へ 。
  通訳翻訳資格(NAATI)取得を目指す人は少なくないが、同コースは、NAATIでもワンランク上を狙う人向け。既に通訳や翻訳の経験者には、これ以上のコースはない。未経験者でも入学の可能性はあるが、内容はとてもハードなため、あまりお薦めできない。

就職先の一例

 留学生向けの就職率は、ビザの関係などもあり正式に発表されていない。全体で見ると、2007年度の就職率No.1は、クイーンズランド工科大学、次いでウーロンゴン大学となっており、「実践重視」大学が強いのが分かる。以下でシドニーとメルボルンの2大都市の大学の就職先一例を見てみよう。

■ニュー・サウス・ウェールズ大学
ANZ
Australian Taxation Office
BHP Billiton
Commonwealth Bank Group
EnergyAustralia: Commercial
Ernst & Young
Hays
IBM Australia
Kellogg's
Qantas
SAS
Sydney Water
Westpac         ほか多数

■メルボルン大学(学部別)
〈建築〉
Billard Leece Partnership
Buro Architects & Interiors
GHD
〈芸術〉
Austin Health 
Department of Human Services IBM Australia
〈経済〉
Australian Bureau of Statistics Department of Prime Minister and Cabinet
Ernst & Young
〈教育〉
Bialik College
Ivanhoe Girls'Grammer School Wesley College
〈工〉
Ford Motor Company of Australia GHD
IBM Australia
〈音楽〉
Auckland Philharmonia Orchestra
Panda Productions
Yamaha Music Schools
              ほか多数

Photo: Tourism Victoria

Photo: Chris Bennett

Photo: Chris Bennett

 


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