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Technical and Further Education
TAFEで実践力を磨く

協力:TAFE NSW
Tel: (02)9217-4801
Web: www.studyintafe.edu.au


 高等職業訓練専門学校(TAFE)は、オーストラリアの公立の専門学校。“Technical and Further Education”の略で、オーストラリアでは大学と並ぶ高等教育機関だ。狭き門というイメージが強いオーストラリアの大学に比べ、TAFEは即戦力となるような知識・技術が学べる地元オーストラリア人にも人気の学校。ここでは、TAFEが開講する多彩なプログラム・取得可能な資格について解説する。

■TAFEで学ぶ利点は?
  TAFEのコースは、数カ月の短期で修了するものから、2〜3年かかるものまでさまざま。サーティフィケート1(4〜6カ月)に始まり、サーティフィケート2(6〜8カ月)、サーティフィケート3(6カ月以上)、サーティフィケート4(12〜18カ月)、ディプロマ(18〜24カ月)と続き、最高レベルが上級ディプロマ(24〜36カ月)となる。サーティフィケートは「証明」であり、資格としての認知度は比較的低い。履歴書に高等教育として記入できる資格を目指す人は、「資格」として認められているディプロマ・レベルのコースを選ぶ必要がある。
  しかし、サーティフィケート・プログラムで学ぶ利点も多数存在する。例えば、人気の高い美容分野のディプロマ・コースでは、生理学から栄養学、脱毛やマニキュア・ペディキュア、メイクからマッサージ、さらには経営や安全管理など包括的に学ぶ。その一方で、論理や経営よりも実践だけに特化して勉強したいという人には、ネイルやメイクなどの特定の技術が6カ月程度で学べるサーティフィケート・コースがお薦めだ。つまり、TAFEとは必ずしも「資格」を取得する場ではなく、自分に今欠けている技術を学ぶ、プラスアルファの技術を身に着ける機関と考えればいいだろう。
  また、公立の専門学校であるTAFEで取得した資格は、広くオーストラリアで通用する。大学と比べ、専門分野での知識と技術の取得を重視しているため、現地でのいち早い就職を目指す人にとっては実践的なスキルが武器になり雇用主から大きく評価されるだろう。少人数制で、実務経験が豊富な講師陣からきめ細かい指導が受けられるというのも大きな特徴だ。大学を卒業後にTAFEで資格を取得し、キャリア・アップを狙うという人も珍しくない。反対にTAFEから大学進学の道も設けられているので、後に詳しく見るとしよう。

■TAFEで取れる資格・技術を教えて!
  NSW州だけを見ても、州内に「インスティテュート」と呼ばれる10の独立校、合計130校の分校があり、開講されているプログラムもIT、ビジネス、ホスピタリティー、調理、さらには航空や馬産業など、とにかく「TAFEで学べないことなどない!」と言ってもよいほど幅広いコースが提供されている。以下に、TAFEで学べる分野の代表例を挙げてみた。

・ビジネス ・レジャー
・自動車 ・農業
・園芸 ・美容
・ホスピタリティー ・福祉
・看護 ・動物
・建築 ・環境
・ツーリズム ・航空
・海洋 ・工学
・保険・医療 ・法律
・デザイン ・情報技術
・通訳・翻訳 ・映像
・教育 ・馬産業


一般に、ホスピタリティーやビジネス、ITといった人気分野は各州のTAFEでプログラムが開講されているが、海洋産業が発達しているQLD州沿岸では海洋、ワイナリーが数多く存在するSA州ではワインのコースが充実しているなど、地域色も生かされている。まず自分が何を勉強したいのかを考え、それを学ぶにはどのTAFEが最適なのか、じっくり調べてみよう。

■入学方法は ?
通常2学期制で、2月と7月初頭の年2回入学時期が設けられている。コースやキャンパスによって、2月しか入学機会がないなど申し込み日や開講日が異なるため、自分が通いたいキャンパスに問い合わせるなど事前に確認した方がいいだろう。
コースや時期が決まれば、いよいよ入学。とその前に、TAFEに入学するためには、英語力と学歴の証明が必要になる。英語力の証明はほとんどのコースでIELTSで5.5ポイント、TOEFLでは191(ペーパーベースで530)点が目安とされている。英語力が基準に満たない場合は、TAFE付属のイングリッシュ・ランゲージ・センターや提携している語学学校で、一定期間の就学を終える必要がある。付属英語学校の場合は10週間から直接TAFEへの入学が可能。また、TAFE NSWとタスマニアでは日本の英語検定も英語力の証明として認められている。この場合、ディプロマと上級ディプロマで英検準1級が必要となる。
学歴は通常どのコースでも、高校卒業資格が必要。初級のサーティフィケート・コースなど高校1〜2年生(10〜11年の就学歴)で入学が認められるコースもある。いずれも英文の卒業証明書などが必要となるので早めに準備することが大切だ。
入学の申し込み用紙は各州のTAFEインフォメーション・センターで直接入手したり、ウェブサイトからダウンロードできる。英語力に不安がある人や煩わしい手続きを避けたいという人はエージェントにお願いする方がいいだろう。


■留学生に人気のコース
  ここからは、NSW州のTAFEを例に留学生に人気のコースを見てみよう。
  現在50万人もの学生が学んでいるTAFE NSW。4,000人を超える留学生が在籍しており、そのうち約180人が日本人留学生だ。
  数あるコースの中でも特に日本人留学生に人気があるのは、ホスピタリティーや通訳、動物保護、ヘアドレッシング、歯科技工士、地域福祉の分野。
  また、オーストラリアを代表するファッション・デザイナーの五十川明氏もシドニー校で学んだというファッション・デザインに、ファッション・テクノロジー・コースが登場。クリエイティブな知識と実践的なスキルの習得を目指し、デザインからパターン製作など実際の服作りに加え、ファッションの歴史や最新のテクニックを学ぶ。今後も伸びるといわれているオーストラリアのファッション業界の勢いに合わせて、注目を集めているコースの1つだ。
  観光業が主要産業のオーストラリアでは、ツーリズム&ホスピタリティーの学習がとても盛ん。オーストラリア人にも人気で、充実したコースが整っている。ひと言にホスピタリティーと言っても、調理師やパティシエ、バーテンダー、ホテルスタッフなどの実務から、ホテルやレストラン経営などの管理職レベルまで、その種類もさまざま。
  TAFE NSWのユニークなコースとして、留学生に向けて2009年からスノー・トゥ・サーフ(Snow to Surf)と銘打ったコースが新設される。これはインターンシップを含む2年間のディプロマで、サーティフィケート3の商業クッカリーを含むホスピタリティー・マネジメント・コース履修者を対象にしている。大自然に囲まれたウーロンゴンに位置するイリワラ校のクーマとナウラの両キャンパスを拠点に、有償のワーク・エクスペリエンスで実践的にトレーニングを積むと同時に、スノーウィー・マウンテンでのスキーや、サウス・コーストでのサーフィンが楽しめるという、まさにオーストラリアだからこそ実現するキャンパス・ライフが待っている。インターンシップ先でアコモデーションや食事が付いている場合もあり、留学生には嬉しい人気コースとなりそうだ。

Photo: Tourism Victoria

そして、このほかにも多数のTAFEが幅広いコースを開講しているのが、根強い人気を誇る美容系。ヘアドレッシングからメイクアップ、ネイルからアロマセラピーまで、ホスピタリティー同様、実務的な技術が学べる一方で、マーケティングや雇用など、店の経営に関するビジネス面の学習も可能だ。
また、これから日本に帰って再就職を考えている人にお薦めなのがビジネス関連。会計から経営、秘書、セールス&マーケティングまで、多彩なコースがそろっている。ビジネスに関連する経営やマーケティング、会計などビジネス関連の知識・技術が包括的に学べるコースも用意されている。自分に不足している分野に特化して学ぶもよし、ビジネスを全般的に学ぶもよし。ニーズに合わせてコース選びをしよう。


■TAFEから大学編入の道
TAFEで勉強したけれど、さらに専門性を高めたい。希望の職に就くには、どうしても学位が必要。または、英語力や学歴が足りなかったという理由から、大学進学を諦めTAFEに進学した…というアナタ。大学進学を諦めるのはまだ早い。TAFEの資格の多くは大学で認められており、TAFEでディプロマや上級ディプロマを修了後、大学の関連学部に編入が可能なのだ。
単位の移行も可能で、一般に、ディプロマもしくは上級ディプロマは、大学の1〜1.5年分の単位として認められるため、大学の2年次以降に編入することができる。このように、現時点では英語力や学歴不足で大学進学が難しい人も、TAFEに通うことで大学進学を目指すことができる。


●ダイレクト・エントリーって何?

 ダイレクト・エントリーとは、大学やTAFEへ直接入学するための英語プログラムのこと。一般に、大学はIELTS(アカデミック)で6.5ポイント、もしくはTOEFL230(ペーパーベースで570)点、TAFEはIELTS5.5ポイント、TOEFL191(ペーパーベースで530)点の英語力を入学基準としているが、大学やTAFE付属の語学学校でダイレクト・エントリー・プログラムを修了することにより、これらの英語テストを受けることなく大学やTAFE入学が可能になる。
  プログラムの期間は10週間程度から。しかし、同プログラムを通じて進学することの利点は、IELTSやTOEICを受けずにすむからというよりも、むしろ大学やTAFEの授業で必要とされるスキルを得ることができる点にある。大学の授業についていくために必要なレポートや論文の書き方、英語の文法、ノートの取り方、プレゼンテーションやディスカッションの仕方など、進学英語を総合的に学ぶことができるのだ。
  大学やTAFE進学を希望する人は、まず自分が希望する大学・TAFE付属の語学学校があるか、また、大学・TAFE付属の語学学校がエントリー・プログラムを設けているかどうかを確認することが学校選びの第一歩となる。また最近では、大学付属でなくとも大学やTAFE、カレッジと提携し、ダイレクト・エントリー・プログラムを提供している語学学校も増えてきているので、気になる語学学校に問い合わせてみるのもよいだろう。
※希望の大学・TAFEに入学するには、英語力以外の基準も満たしていなければならない。

オーストラリアTAFE
大学進学の道


※IELTSはアカデミック・モジュール。数値はあくまでも目安。
※上記の英語力以外に、学歴などの入学条件を満たしている必要がある。

 

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