留学経験を海外で生かす
国際都市、シンガポールで就職のチャンス
パソナ・シンガポール・ジャパン・デスク 紀平英里
オーストラリアでの留学後、就職先の新たな選択肢として注目を集めているのが東南アジアだ。多くの日系企業が進出し、日本人に対する求人が増加傾向にあることや、物価や賃金の面も含め、外国人が生活していく上で住みやすい環境などが人気の理由として挙げられる。その中でも公用語が英語で、「東南アジアの中心」として経済発展を続ける経済大国シンガポールで就職する日本人が増えているという。シンガポールでの就職の現状について、海外就職に強い日系人材紹介会社「パソナ」のシンガポール現地法人、パソナ・シンガポールの紀平英里さんに聞いた。
パソナ・シンガポール・ジャパン・デスクの紀平英里さん(写真中央)
|
|
シンガポールのオフィス街
|
■活気に満ちているシンガポール
今年9月に世界で初めて夜間の市街地コースでF1レースが開催されるほか、カジノ・リゾートやユニバーサル・スタジオといった大型娯楽施設の建設が予定されるなど、近年活気づいているシンガポール。2015年までに現在の430万人の人口を600万人にまで増やすといった政府の計画もあり、ますます外国人居住者や訪問者の増加が見込まれ、今後はさらに外国人が仕事の場で活躍する機会が増えていくことが予想されます。
■東南アジアのハブ国
シンガポールはシドニーや東京からおよそ7時間のフライトで到着する、赤道直下、マレー半島最南端に位置します。東京23区程度の小さな国ですが、地理的な利便性、整ったインフラから「東南アジアの経済ハブ国」として世界中のグローバル企業が参入しています。
公用語は英語。中華系、マレー系、インド系からなる多民族国家であるほか、人口のおよそ20%が外国人という国際都市です。仕事上でも、シンガポール人や欧米人などさまざまな国の人々と出会う機会があり、インターナショナルなビジネス環境があります。
|
|
日本人など外国人が多く暮らすコンドミニアム
|
■日本人も暮らしやすい
この国には現在、3万人あまりの日本人が生活しています。世界の中でも日本人在住者比率が最も多い都市の1つですので、日本食店が多く日本製品も簡単に手に入ります。
日本食チェーン店では吉野家、元気寿司、モスバーガーなどがありますし、ローカルのスーパーも含め大手スーパーなら必ずと言っていいほど日本食材コーナーが設置されています。加えて、ベスト電器、紀伊國屋、ダイソーなど、日系店舗が数多く進出しているので、日本人にとって生活しやすい環境と言えます。
また、犯罪率は世界最低レベルで、女性の夜間の1人歩きも特に問題ありません。
住居環境は、非常に整っており、多くの外国人就労者が賃貸するプライベート・アパートメントやコンドミニアム(日本で言う高級マンション)は、プールやサウナ、ジムなどの設備を構えており、リゾート・ライフを日常的に堪能できます。セキュリティーも24時間体制で設備しているところもあり、安全面も良好。外国人にとって安心できる住宅環境と言えます。
住宅費はルーム・シェアで月額5〜10万円程度と少し割高感はあるものの、物価はオーストラリアと比較して総じて割安です。公共交通機関(地下鉄・バス)の運賃は70〜100円程度、ランチは200〜300円もあれば満腹になり、余裕のある生活ができます。
|
シンガポールでの
仕事紹介の流れ
(パソナ・シンガポールを利用し7月に
就職開始を希望する場合)
|
5月
【パソナ・シンガポールへ問い合わせ】
まずはジャパン・デスクのEメール
(japandsk@pasona.com.sg)に
希望する就職時期や職種を相談
(質問や相談は随時受付)
↓
【履歴書作成】
英文レジュメ作成
↓
【求人紹介】
これまでの経験や希望職種に合った
求人紹介
↓
【書類選考】
希望する求人があれば、パソナ・シンガポール経由で企業へレジュメを送付
6月
【シンガポールにて面接】
企業で書類選考後、パソナ・シンガ
ポールが企業との面接をアレンジ
(2次面接まであるのが一般的)
※通常、就職活動のためのシンガポール滞在期間は1〜2週間程度が目安
↓
【内定と雇用契約書の締結】
企業と雇用契約を交わし正式な内定
企業よりビザの申請
※通常、ビザ申請までにかかる日数は2週間〜1カ月程度
↓
7月
【勤務開始】
ビザ取得後、勤務スタート !
 |
■知られざる就職の可能性
海外就職で時に悩みの種となる就労ビザですが、ほかの英語圏より比較的に取得しやすいと言われています。4年制大学を卒業していない人でも、数年の就労経験などにより、ビザ取得の可能性が十分あります。また、ビザ申請時に企業のサポートがあるのも、外国人にとって利点です。
日系企業を含めた外資参入に伴い、日本人向けの求人は増加しています。シンガポール求人の特徴は、「事務」「営業」「経理」「IT」「金融」など、多岐にわたる業種や職種の選択肢があるということ。海外留学を経験した多くの日本人が日本語と英語を使いながら、さまざまな業界で活躍しています。
■現地企業に求められる日本人
就労するにあたっては、意志疎通ができる日常英会話力が一般的に必須。目安としてはTOEICスコアで650〜700点程度です。また、WordやExcelなどのパソコン・スキルは最低限必要です。
ほとんどの求人で即戦力が求められており、最低2〜3年の就労経験があることが望ましいでしょう。ほか、コミュニケーション能力や柔軟性も求められています。経験が満たない人は、実務経験以外のことも含めて自己アピール材料を見つけましょう。
また日本人向けの求人には、日本とシンガポールの架け橋的役割をするものが多く占めています。単に「日本語」を母国語としているというだけではなく、日系・外資系ともに日本人的なマナーやビジネス感覚のある人が求められていることを忘れてはいけません。
■オーストラリア留学経験の生かし方
毎年、オーストラリアで身に着けた語学力や大学・専門学校などで取得した資格・専門的スキルを生かして、多くの日本人がシンガポールで就職をしています。
オーストラリア在住経験者に温暖な気候が好きな人が多いこと、日本との時差の差が1時間と、日本にいる家族や友人と連絡が取りやすいことなど、オーストラリアとシンガポールには似通ったところがあります。
また、同じ多民族国家であるオーストラリア留学中に培った各国の文化習慣や商慣習を尊重できる柔軟性や国際性は、シンガポールでの就職や生活に十分に生かすことができると言えます。