正当防衛主張で控訴
12月2日、ブルガリアのソフィア市裁判所は、シドニー出身の青年ジョック・パルフィリーマン被告人(23)に、殺人罪有罪判決で懲役20年を言い渡した。
容疑は、2007年12月28日にソフィア市内で被告人が、ブルガリア人法学部学生アンドレイ・モノフさん(20)、アントアン・ザハリエフさん(19)らとケンカ、モノフさんを殺害、ザハリエフさんに重傷を負わせたとするもの。同裁判所は、同被告人に対して、被害者の家族に40万レバ($A326,238)の補償金を支払うことを命じた。
パルフリーマン被告人は、殺人、殺人未遂容疑について無罪、正当防衛を主張していたが裁判所はこれを認めなかった。
リバービューのセント・イグナシウス・カレッジ出身の被告人は、同夜、ケンカの前に酒を飲んでいたことを認めたが、ケンカ直前に酔っ払ったフットボール・ファンのグループに殴られているロマ人男性を助けようとして駆けつけただけだと主張してきた(訳注:ロマ人は、かつてはジプシーと呼称されていたが、現在ではPC語彙としてロマが使われる。東南欧の少数民族でしばしば差別の対象になっている)。パルフィリーマン被告人の弟スペンサーさんは、判決は「おかしい。判決では被害者が背中から刺されたとして殺人罪の根拠としているが、検視証拠書類では前から刺されたことになっている。警察官が兄に有利な証言をすることになると、検事が証人を拒否した、何が何でも有罪に持ち込もうとしたことは明らかだ」として家族が控訴の用意をしていると語った。また、オーストラリア政府は外務省を通して裁判を見守っていたが、第三者の証拠はすべて兄に有利になっており、なぜ、主席判事が有罪と判断したのか、判決文を読まない限り理解できない。まったく道理に合わないと語っている。
Foreign Prisoners Support Service(海外受刑者支援サービス)のケイ・デーンズさんは、「重要な証拠が裁判で取り上げられず、被告人の権利の侵害がいくつもあった。オーストラリアでの裁判ならこのような判決にはならないはずだ」とブルガリアの司法制度に疑義を呈している。ブルガリアでは上級裁判所への控訴は判決言い渡しから15日以内に行わなければならない。(AAP)