伸び悩む低所得女性の母乳授乳率
広がる所得階層間のギャップ
メルボルンにあるラトローブ大学のリサ・アミル博士らがオーストラリア医学ジャーナルで母乳授乳率の研究結果を発表した。
第二次世界大戦後、企業がフォーミュラを子供の健康にいいと宣伝したため、多くの女性が缶入りのフォーミュラを与えるようになってしまった。しかし、医学界が免疫や栄養学的な見地で母乳の必要性をいうようになって、母乳に戻る女性が増えている。これまでの調査ではオーストラリアの人口全体をひとまとめにしていたため、「母乳授乳率は変化なし」とされていたが、アミル博士らは、所得階層別に統計を分析、現代オーストラリアの高所得階層の女性は1995年には53%が母乳を含ませていたが、2005年にはそれが66%に向上しているのに比べ、低所得階層ではむしろ38%から37%に下がっていることが明らかになった。母乳を与えられない乳幼児は病気をしやすく、また病気をすると入院する率も高くなる。
所得階層別の母乳授乳率の開きについて、アミル博士は、「高所得階層の女性は、健康的な生活習慣を身につける率が高いが、低所得階層の女性は、周囲のサポートに乏しい、授乳時間などの柔軟性のある職に就けない、公共の場での授乳が難しいなどの他、低所得階層の母親は年齢、学歴が低く、肥満、喫煙習慣など不健康な生活習慣が多い」と分析、オーストラリア社会の階層分化が激しくなっていることを原因に挙げ、低所得階層の母親をサポートする政策の必要性を強調している。(訳注:生理現象を厭うイギリス系文化のオーストラリアでは最近まで公共の場での授乳が禁止または差別されていた。全国に遅れてNSW州が公共の場での授乳差別を禁止する法律を施行したのは2007年8月)。(AAP)
文末に(AAP)とある記事は、AAP配信記事の忠実な翻訳であり、日本国内の報道と合致しない記述も含まれています。
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