温室ガス排出少ないLPG車を増やせ
安価で国内埋蔵量も豊富−専門家指摘
ガソリンや軽油に比べて環境負荷が低い液化石油ガス(LPG)は、現状では最良の代替燃料――。豪州の有力自動車専門家が、LPG自動車の利用拡大を呼びかけている。
豪大手自動車メーカー、GМホールデンの新技術開発部門の責任者をこのほど退職したローリー・スパーク博士によれば、LPG対応車は既存のガソリン車と比較して13%の温室効果ガス削減効果があるという。
利用が広がっている代替燃料としては、ほかにトウモロコシなど穀物由来のバイオ燃料がある。しかし、同博士は「バイオ燃料の生産には広大な農地が必要だ」として、生産を拡大すればむしろ環境にネガティブな影響が出るとした。その上で、既存の技術の範囲内では、LPG車の利用拡大が温室ガス削減に最も効果的だと主張した。
また、既存の燃料より安価で、オーストラリア国内で豊富に供給できるのも大きなメリットだという。同博士は、世界的な石油供給のひっ迫、豪国内原油生産の減少を背景に、今後5年間でガソリン不足が深刻化すると予測。「豪州にはLPGや天然ガスの埋蔵量が豊富だが、(自動車には)十分に活用されていない」として、燃料と車両の技術開発を進めることでガス燃料の供給拡大を図るべきだとした。
こうしたメリットから、「連邦政府は、消費者へのLPG車の利用拡大と、ガス燃料の技術開発をさらに促進しなければならない」と結論付けた。
既存のガソリンや軽油の車でもエンジンの改造とガスタンクの取り付けによってLPG車に改装することができる。ガソリンより安価であるため、走行距離の長いタクシーは既にほとんどがLPG車だ。
同博士によると、環境に対して最も効果的なのは、温室ガス効果の高い古い車やトラックをLPGに改装することだという。
「VIC州を走っている自動車の新車からの経過年数は平均11年。古い車をLPGに改装する方が、新車への買い替えを促進するよりも環境にはいい」と同博士。新車は年式の古い車に比べて温室ガス排出は少ないが、製造工程で大量の温室ガスを排出する。既存の車を改装する方が環境への影響は小さいというわけだ。
連邦政府は既にLPG導入を促進する補助金制度を実施している。LPG対応の新車購入者は1,000ドル、既存のガソリン・軽油車を改装する人は2,000ドルの助成を申請することができる。06年8月の同制度施行以来、全豪で12万人のドライバーがLPGに切り替えている。(AAP)
文末に(AAP)とある記事は、AAP配信記事の忠実な翻訳であり、日本国内の報道と合致しない記述も含まれています。
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